The first 7” single of Tokimeki Records, 80’s cover project is out!

The first 7” single of Tokimeki Records, 80’s cover project is out!
The singles that got a hot topic after the streaming release became an analog.
On the A side, Akina Nakamori's "OH NO, OH YES!"
And on the B side, Mariya Takeuchi's "Plastic Love".

Tokimeki Recordsは、80年代の名曲をカバーするプロジェクト。その第一弾として、R&BバンドMimeのヴォーカル、ひかりを起用し、竹内まりや「Plastic Love」と中森明菜「OH NO, OH YES!」をカバーしたのがこのレコードだ。実態はまだ謎に包まれているこのプロジェクトだが、標榜するサウンドとして打ち出しているのが「エレクトリック・シティ・ソウル」だそうだ。

シティ・ポップではなく、なぜ「シティ・ソウル」なのだろうか。
そもそも「シティ・ソウル」とは、元『bmr』編集長の小渕晃が、2010年代に起こった80年
代リヴァイヴァルとシティ・ポップの興盛という、二つの大きな流れを踏まえて提唱した言葉だった。『シティ・ソウル ディスクガイド』では、その音楽の傾向として、「制作者の深い音楽知識、リスニング体験をもとに、ソウルとジャズ、ロックなどのクロスオーヴァーにより生み出される洗練されたポップ・ミュージック」、「ヒップホップ世代にも受け入れられる、ある種のグルーヴを備えた作品」と緩やかに定義している。奇しくも、ひかりが所属するMimeの曲「This Summer」が、「シティ・ソウル」のコンピレーションCDの二作目に収録されたばかりだ。

そのMimeは、昨年にデビュー・アルバム『Capricious』をリリース。メンバーのひかりは90年代のR&Bが下地としてあり、ドラムの冨倉暢はヒップホップに影響を受け個人でもTiMT名義のビートメイカーとして活動、他のメンバーはジャズの素養もある。さらにシティ・ポップまでをも吸収しながら昇華したサウンドは、各方面で高い評価を得た。Mimeはまさに「シティ・ソウル」の定義に当てはまるバンドであり、そのヴォーカルのひかりをTokimeki Recordsが最初に起用したのは、「シティ・ポップ」以上にクロスオーバーで、よりヒップホップ以降の音を指向する意識の現れ、とも言えるのではないだろうか。

いささか遠回りをしたが、肝心のカバー曲について見ていこう。「Plastic Love」は、竹内まりやの84年のアルバム『Variety』に収録された曲だが、2017年にYouTubeに動画がアップロードされると、2500万以上の再生数を記録。さまざまなアーティストがカバーするなど、昨今のシティ・ポップ再評価の流れを象徴する曲になった。Tokimeki Recordsがプロデュースしたこのカバーでは、T-GROOVEらと共に新しいディスコ・ブギーを世に送り出してきた原ゆうまがギターで参加。シンセを強調した現在進行形のエレクトロ・ブギーなサウンドと、ひかりのソウルフルで官能的な歌声によって、原曲以上にダンサブルかつアーバンに仕上がっている。まさに「エレクトリック・シティ・ソウル」とも言うべき、決定版の誕生だ。

「OH NO, OH YES!」は、中森明菜の86年のアルバム『CRIMSON』に収録され、竹内まりやが作詞・作曲を手がけた。その翌年には、山下達郎がアレンジし、竹内まりや自身がカバーしている。Tokimeki Records版では、なんと、数々の楽曲でサンプリングされたアイズレー・ブラザーズ「Between the Sheets」を大胆に引用。バラードだったこの曲は、ヒップホップ世代のクラシックと見事にブレンドされた。

立ち上がったばかりのTokimeki Recordsだが、このシングルを聴いただけでも、80年代の曲を現代にアップデートするその手腕が確かなものだとわかるだろう。傑作と言えるカバーを生み出したこのプロジェクトがなにを仕掛けるのか、今後も注目すべきだ。
島 晃一 (Soul Matters / CHAMP)

The first 7” single of Tokimeki Records, 80’s cover project is out!
The singles that got a hot topic after the streaming release became an analog.
On the A side, Akina Nakamori's "OH NO, OH YES!"
And on the B side, Mariya Takeuchi's "Plastic Love".

Tokimeki Recordsは、80年代の名曲をカバーするプロジェクト。その第一弾として、R&BバンドMimeのヴォーカル、ひかりを起用し、竹内まりや「Plastic Love」と中森明菜「OH NO, OH YES!」をカバーしたのがこのレコードだ。実態はまだ謎に包まれているこのプロジェクトだが、標榜するサウンドとして打ち出しているのが「エレクトリック・シティ・ソウル」だそうだ。

シティ・ポップではなく、なぜ「シティ・ソウル」なのだろうか。
そもそも「シティ・ソウル」とは、元『bmr』編集長の小渕晃が、2010年代に起こった80年
代リヴァイヴァルとシティ・ポップの興盛という、二つの大きな流れを踏まえて提唱した言葉だった。『シティ・ソウル ディスクガイド』では、その音楽の傾向として、「制作者の深い音楽知識、リスニング体験をもとに、ソウルとジャズ、ロックなどのクロスオーヴァーにより生み出される洗練されたポップ・ミュージック」、「ヒップホップ世代にも受け入れられる、ある種のグルーヴを備えた作品」と緩やかに定義している。奇しくも、ひかりが所属するMimeの曲「This Summer」が、「シティ・ソウル」のコンピレーションCDの二作目に収録されたばかりだ。

そのMimeは、昨年にデビュー・アルバム『Capricious』をリリース。メンバーのひかりは90年代のR&Bが下地としてあり、ドラムの冨倉暢はヒップホップに影響を受け個人でもTiMT名義のビートメイカーとして活動、他のメンバーはジャズの素養もある。さらにシティ・ポップまでをも吸収しながら昇華したサウンドは、各方面で高い評価を得た。Mimeはまさに「シティ・ソウル」の定義に当てはまるバンドであり、そのヴォーカルのひかりをTokimeki Recordsが最初に起用したのは、「シティ・ポップ」以上にクロスオーバーで、よりヒップホップ以降の音を指向する意識の現れ、とも言えるのではないだろうか。

いささか遠回りをしたが、肝心のカバー曲について見ていこう。「Plastic Love」は、竹内まりやの84年のアルバム『Variety』に収録された曲だが、2017年にYouTubeに動画がアップロードされると、2500万以上の再生数を記録。さまざまなアーティストがカバーするなど、昨今のシティ・ポップ再評価の流れを象徴する曲になった。Tokimeki Recordsがプロデュースしたこのカバーでは、T-GROOVEらと共に新しいディスコ・ブギーを世に送り出してきた原ゆうまがギターで参加。シンセを強調した現在進行形のエレクトロ・ブギーなサウンドと、ひかりのソウルフルで官能的な歌声によって、原曲以上にダンサブルかつアーバンに仕上がっている。まさに「エレクトリック・シティ・ソウル」とも言うべき、決定版の誕生だ。

「OH NO, OH YES!」は、中森明菜の86年のアルバム『CRIMSON』に収録され、竹内まりやが作詞・作曲を手がけた。その翌年には、山下達郎がアレンジし、竹内まりや自身がカバーしている。Tokimeki Records版では、なんと、数々の楽曲でサンプリングされたアイズレー・ブラザーズ「Between the Sheets」を大胆に引用。バラードだったこの曲は、ヒップホップ世代のクラシックと見事にブレンドされた。

立ち上がったばかりのTokimeki Recordsだが、このシングルを聴いただけでも、80年代の曲を現代にアップデートするその手腕が確かなものだとわかるだろう。傑作と言えるカバーを生み出したこのプロジェクトがなにを仕掛けるのか、今後も注目すべきだ。
島 晃一 (Soul Matters / CHAMP)

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OH NO,OH YES! feat. ひかり

Tokimeki Records
7” Blue color vinyl (45 rpm)
Digital Download Included
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